『音楽を聴かなくなった理由』

黒人の文化からパクったビートは噛み砕き流通,エレキギターと大音量で流すアンプが発明されてラウドな演奏に,ゼラチンライトショーとか各種向精神薬が発明されたり危なくて違法になったりサイケ混沌,多チャンネルのオーバーダビング録音,シンセサイザーの発明で空気音では発生できなかった音色を入手,各種自動演奏マシンの開発,デジタル化でエッジが取れないシンセサイズエコーリバーブオーバーダビングサンプリングループ。
ココまで書いたのは50年代の半ばから90年くらいのたかが40年間の発明と変化。その後20年間どんなエポックがありましたっけ。テクノパレードグランジエレクトロとかまーウッドストックテクノポップの間を廉価になった機材でオモチャにしてぐるぐる回してるだけでなんの発明もない音音音。
ブックマークとか追従ツイートとか眺めるとやたら「嗜好の多様化」とか書いてあるけど生前のジャニスジョプリンがもう40年も前に「もう今の子供たちはアンディウィリアムスじゃなくてそれぞれ自分の好きな音楽を聴くの」て言ってるのに。
最近,地デジ対応でコダワリのフルスペックハイビジョンブラウン管28型から液晶のハイビジョン40型に買い換えた,変えるとね観るんですよテレビ。車買い換えたとき,むやみに早起きとかしてワザワザ運転するんですよ,ケータイ替えたらしばらく夢中でイジるんですよ。なんかね,「こんなに新しいんだぜ,すげーんだぜ」って売る側が堂々とフカさないように思う,最近。たいしたことなくてもフカしてたんだよ昔は,「全米が泣いた」方式とかのブラフで。
それでもアーチスト(って芸術家って意味ですよ)というか制作者には頑張ってる人もいるように思う。版元経由の売れ行き報告とかじゃなくて直接に意図とか声を届けてその反応を受けられるインフラになったから話が早い。
それなのに,版元は売り上げベースでオッサンオバチャン向けの出版ばかりに注力しているように思えるのだ。まーカバーアルバムロートルバンド再結成とか再結成来日とか替え歌CMとか懐メロ主題歌とかヤマトとかジョーとか。また,オッサンオバチャン層がね,モクロミ通りに底を支えちゃうんだよ。
私の思うに『音楽を聴かなくなった理由』は,底支えてるオッサンオバチャンと,新しい音にブラフ付けてでも売りぬく覚悟のない版元が悪い。エレファントカシマシに「象を姦る」みたいな,ストリートスライダーズに「和製ローリングストーンズ」みたいな,そんなくらいの言い切っちゃう覚悟でいいのに。

「最近売りだされた曲で、知人が共通して知っている曲は非常に少ない。カラオケに行って皆で盛り上がれるのはSmapモー娘。つまりインターネット時代以前の、情報源がTVやラジオしかなかった時代の曲ばかり」