ipod税

流通方法が変わったんだ。テレビとかレコード販売網とか再販制で保証されていた市場はもうナシ崩しなんである。既得権益を守ろうとして自滅するか,なにか新しい創作モチベーションを発明するのか,アーチストを自称する諸氏にはもちろん後者を期待する。きっともともと芸事なんて中世には『カワラモノ』なんて言葉で差別されていた生業,身体的なハンディキャップとかいろいろ不遇でカタギの職にアリツキ損ねたヒトが施しを受けるために身につけた技である。レコード出版って変革は再販制の庇護のもと音楽創作者への施しを増大させ,保証した。
レンタルレコードってアイデアは増大した施しを割り引かせるピンチだったけど,その増大した施しの分け前で成り立っている組織の活動と,なにより「コピーを取るにも再生時間そのままが必要」ってユーザーにとってのコストとのバランスでそれほど割り引かれずに乗り切った。
今度のピンチは深刻だ。数MBに圧縮された数分の創作物はインターネットで数秒で複製され無数のプレーヤーにコピーされる。でも,時代は変わるんだぜベイビー。昨日まで一番の金持ちだったのに,今日から路上で施しを得るために歌う生活が始まる。でも素晴らしい歌と演奏なら,また充分に楽しく暮らせるだけの施しを得られるはず。
この件で私を不愉快にするのは,JASRAC っていう著作者の権利を管理しその行使を代行する団体さんの動きではない。そもそも圧縮音声ファイル化に反対する音楽家制作関係者出版関係者の意見が全く聞こえてこないことである。圧縮音楽のダウンロード販売とか乗ってるし,前にも書いたけどそーとー歪んでるんだぜ。耳で聴いてその歪みをワカラナイ人たちがそもそもプロとして活動していることが私を立腹させている。

ボブディラン/時代は変わる

http://musiker.nsf.jp/musiker21/timechangein.html