事業と人

大手の人材派遣会社が立ち行かなくなった。業務の体制が違法と判断されたことで継続が出来なくなったからだ。ニュースで読み取れる範囲では,たしかに酷い。人材の原価というか固定費をロハで考えるとこういうシステムになるんだろう。
バブル崩壊は雇用制度にとって革命であったかもしれない。「成果主義」という幻想が雇用主が労働者個人に与える甘い蜜として使われ始めた。しかして実態は人材を値踏みし買い叩く原価低減であった。「成果」ってなんだよ,と。例えば農業。土地の面積が同じであっても米麦コーンその他雑穀みたいな単価高くないけど安定市場なのか,マンゴーメロンサクランボみたいな高収益だけど流行り廃りのある果実なのか,同じモノサシでは計れません。そこを同じモノサシ適用して「成果」を値切ってきた結果が今みたいな感じ。
高収益果実にワーっとマンパワー注いで,「成果主義」って金科玉条で働く人同士を分断して,じゃぁ流動的にいい仕事できた人はより高値で転職繰り返せるか,ていうとそれは実務者ではなく経営者だけの特権っぽくて,エセ経営論でパワーを値切られる実務者は転職たんびに自分を割引。
割とバブルまでの日本の社会って実務の人を尊敬してきたんじゃないか,キチンとした雇用で守って「働いてもらう」ってのが経営の美学だったように思える。
まとまらないけど寝る。