僕とヒトシの思い出ポロポロ

中学1年生のころ、同じクラスになったヤツがうざったかった。身長が低くてさ、丸坊主でなんだかいびつに歪んだ表情でもっと身長が低い小僧と小声で話してて。大きい声出すときは大抵下品なエロとか下関係のことで、もうほんとに。別に関係ないし知らん振りで過ごしたかったけど、まぁ僕にもあるなんだかななウザったさとすれ違い切れず、理科のテストの返却で「うぁ満点取り損なった」みたいな嫌味な僕具合をウワサでは入江塾通いのヤツが見過ごせるハズも無い。確かめてないけど他に敵がいたのかもだけど、たぶんね、やつの主導で僕シカトが始まったですよ。
まぁ僕もいろいろアカンかった、学校のお勉強が自分と同じ程度に理解できない子がワカラナイ、見た目で即なんだかんだ指摘したり笑ったりする、骨折した子のタクシー登下校に付き添うフリしてタダ乗り自慢、まぁオレが悪かった。ので態度を修正してほどなく中2のクラス換えでヤツとは離れた。
んで中三、学年で障害の子が居てさヤツは2年のときから同じクラスだったらしい。同じクラスで同じ班になる。1年の頃には僕をイジメル嫌なヤツだったヒトシが妙にその子に優しい、ていうかみんなに優しい僕にも優しい。おや。筋力系の障害だったのかなちゃんと勉強も理解してるしタドタドしいけど話のコミュニケーションも成り立つけど校庭とかフラフラあちこちには行けない、一緒の班は一緒に休み時間を過ごすのが暗黙のルールで、ヒトシはちゃんとタドタドしさと班のほかのメンバーと折り合わせる頑張りを結局1年間続けた。
そして高校進学、地域2番手の公立高校。自由な校風で牧場と呼ばれた制服の無い公立高校を一緒に受験することになる。なんか倍率がちょっと高くなる性質の2番手、合格発表に行ったのはヒトシの方が早かった。向かう道すがらすれ違って「あ、お前合格してたで」と、見たらヒトシの番号は抜けている。たぶんそれが最後の会話。
フトそんなこんな思い出して名前でグーグル検索したらさ、核融合の研究所で働いているという。広報みたいなコンテンツで写真みてもやっぱそうだよ間違いない。スゲーな8000万度だ、だいたいのもんはシュンって蒸発するぜ。