初めて買ったレコードの話からCD店の閉店に触れつつマーケティングまがいまで

初めて買ったEP

小学校5年の時にチャーの「闘牛士」を買った,とずっと言い張っているのだけれど,実は少し自信が無い。同級生とかが「闘牛士買ったぜ」て自慢しててオレも欲しいなどと思った記憶との境目がぼんやりしていて。中学1年の時に西友YMOライディーン」を買った,これはハッキリしているのだけれど。YMOは流行った,サカモトが東京藝大出身のパリパリインテリとか日本人バンド初のヨーロッパツアーとか,シンセサイザーってだけでワクワクしちゃうお年頃にいろんな尾ひれ刺激が付録してて。今思えば,はっぴぃえんどとサディスティックミカバンドのリズム隊のキレた演奏とかサポートの矢野顕子とか渡辺カヅミとか他にもエポックあるのだけれど。

CDが売れないそうです

大型量販店も相次いで店仕舞い。まぁあれだ時代は変わるし流通も変わる,娯楽なんて振れて当然ですよ。というかミリオンセラー量産の90年代の方がむしろ異常,というか「CDが売れていた」のではなくたぶん正確に言うと「コムロが売れていた」わけで。で,コムロ論。結局量産した楽曲は未来のスタンダードにはならないような気配である,いやまぁイェスタデイとか上を向いて歩こうとか枯葉とかいう意味で。楽曲のクオリティとは関係ないと思うのだ,売れた理由は。たぶん上に書いた「尾ひれ」という付帯する物語が商品価値。難しい顔して新人発掘オーディションを公開,ヨーロッパでレイブが流行ってるんだ,ドラムンベースだジャングルだなど話題提供と一緒に楽曲リリース,お笑いタレント歌わせたり恋愛持ち込んだり,ユニットとかいって組んだりバラけたり,痴話持ち込んだりなんでもアリの物語付帯。ムーブメント持ち込みじゃぁ電気グルーブのほうが再現度高い作品リリースしてたわけで。結局みんなそれらの「物語」に対価を払ってたんじゃなかろうか,という思いつき。
カップヌードルの歌を歌っているJKジャミロクワイが,バージンレコード旗揚げ時に破格の契約金と多数のアルバム出版を契約した鳴り物デビューってみんな憶えてるだろうか,でもまぁ今聞いたら「スティービーワンダーが居るのに,なんでこんな曲を欲しがったんだろか?」て感じ,ピーターバラカン氏が言ってたと思うけど。まぁその鳴り物語に需要があったんでしょ,きっと。

マーケティングとかのこと

音楽っていうかロックが好きで掘って聴いてオッサンになって。きっとレコード出版とかエンターテイメントに進んだご同輩もきっと職場である程度の権限もった中堅ちょいアッパーになってる頃。テレビラジオから聴こえてくる曲,いいよ。昔好きだったあの曲,この曲持ち出してくるけど,ちょい待て。そりゃ若手のクリエイターが作って持ってくる楽曲なんて薄っぺらくて聴いちゃられないだろうけど,オッサンによるオッサンのための出版ばっかしてるから誰も買わなくなったんじゃないの,オッサンそんなに買えないぜ。とか思った今日,毎年のフェスとかバカみたいに人が来る,オッサンのオレはほとんど名前しらないけどみんな楽しみに集まってるみたい。市場はあるんだよ,オッサンにサービスしてないでボーズどもをもっと新鮮な物語で釣れ釣れ,などと結論。

コムロ論補足

事件後に活動再開,ツイッタに現れた氏のコメントが,いちいちピュアな音楽少年ぽくて素敵やん。