ホンマかいな。
思い出されるのが、2008年9月1日の、福田康夫首相の突
然の辞任である。「あなたたちとは違うんです」との名(迷)
セリフを残して記者会見場を後にした「のび太総理」だが、じ
つは、アメリカ政府から、しつこく「ドルを融通してくれ」と
の圧力を受けていたようなのだ。しかも、それは半端な金額で
はなかった。じつに、日本が保有する全外貨準備高にあたる1
兆ドル(約100兆円)の提供を求められたという。これは、
アメリカ政府が今回の金融パニックを封じ込める目的で投入を
決めた7000億ドルを上回る金額である。要は、自分たちの
失敗の尻拭いを日本に押し付けようとした、アメリカのムシの
よすぎる話に福田前首相はキレてしまったというのである。
――浜田和幸著/光文社刊
『「大恐慌」以後の世界/多極化かアメリカの復活か』