ハイスクールデイズ

入学した初夏のころ“オナ中”のヤツから「後夜祭準備委員やろうぜ」と誘われた。部活も同じだった彼は、いろいろウザいネタを持ちかけてくる癖があり,実はちょっと苦手だった。だが一緒に行動すると,なんだかいつも結構オモシロイことになる。まぁやってみるか。夏の間にキャンプファイヤー用に古枕木をリヤカーで運んだり、近所にお騒がせ予告状配りつつ火文字用のボロ布貰ってきたり、いろいろ準備明け暮れ。んで、文化祭の当日は雨。四月から始めたバンドのデビュー発表会、吹奏楽部の公演、クラスの演劇でのチョイ役が済んでもまだ雨。延期はない、グランドの水取りが決定。文化祭は続く、水取りも続く、そして止まない雨。ギリギリまで待ったのだろうが、校内放送で後夜祭中止のアナウンス。
リーダーが水取り班に集合をかけ、準備委員会の解散を宣言した。「じゃあ〆ようか」と三本締め。あれ、人数の割りに妙に音が響いている。見渡すとグランドを囲んでいる校舎の窓、窓、窓から、それぞれの役目が済んだ全校生徒が一緒に手を叩いていたんだ。

長女の進学の事を考えていたのに、余計な事を思い出してしまった。ヤキが回っているな。